こんにちは、sanpoです。
今回は、悩み相談という新しいカテゴリで発信したいと思います。
皆さんも知り合いや会社の同僚などから、悩み相談したことがあるかと思います。
その際、自分の解決策が本当にその人の役に立っているのか、後になって疑問に思うこともあるのではないでしょうか。
私はとっても気になります。
今回は、その中の一つでなんとなく、これが自分の中で腑に落ちた回答です。
過去の振り返りとともにご覧ください。
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相談内容:仕事を早くするにはどうしたら良いか?
以前、「仕事を早くするにはどうしたら良いか?」といった相談を受けたことがあります。
その人は、同じ会社に勤めている後輩で、主に販促物やパッケージのデザインをしています。
入社してまだ1年ちょっと、仕事に忙殺され、毎日遅くまで仕事をしていることが悩みであるとのこと。
また、練りに練って自分のデザインが上司にダメ出しされることも悩みであり、もっと早く仕事ができるようになりたいと、深刻な雰囲気ではありませんでしたが、私に相談をしてきました。
やってしまった、ありきたりな回答
私は、可愛い後輩に相談されたことが内心嬉しかったので、「解決策を教えて、できる先輩と思われよう」と思い、とにかくどうすれば仕事を早く対処できるかを、鼻高々に語っていました。
例えば、「上司には完成度60%ぐらいで、何度もフィードバックをもらって、できるだけ早く100%に近づけた方がよい」など。
今考えると、Googleで検索すればいくらでも出てくるような内容ばかりでした。
その時、彼女は「そんなやり方があるんですね!やってみます!」と言ってくれましたが、どこか納得しきれていない雰囲気をうっすら感じました。
あの回答は正しかったのか?
それ以降、私は心のどこかでずっとこの相談が気になっていました。
「ベストな回答はなんだったのか?」「本当は何を相談したかったのか?」「そもそも解決を求めていたのか?」
一方、彼女は時々遅くなりながらも、変わりなく仕事をしていたので、そこまで悩みは大きくなかったのではないかと思うようになりました。
おそらくそんな相談をしたことも忘れていたのでしょう。
では、なぜ相談をしたのか。「共感してほしい」や「とにかく言って発散したかった」と言った理由もあるかと思いますが、そのさらに奥に何かがある。そして、それは自分たちも日々の生活で感じていること。
そんなことを考えながら、まず「仕事を早くするための方法」の前の段階から考えることにしました。
仕事を早くする必要はあるのか?
私は、「仕事を早くするには?」の前の段階、「そもそも仕事を早くする必要はあるのか」から考えました。
前の階層から考えることで、今まで見えてこなかった部分がわかってきました。
納期が守れているのなら問題ないのでは?
仕事を早くしたいと思っていた彼女ですが、当時ほとんどの仕事をで締切を守れていたのです。
つまり、仕事がスピードによって周りに迷惑をかけることはなかった。
確かに細かい部分を見るとあったのかもしれませんが、全体的に取引先や同じ部署のメンバーに迷惑をかけている様子はありませんでした。
私からみても決して仕事が遅い印象はありませんでした。
なぜ仕事を早くしようと考えるのか?
では、根本的に問題を起こしていない彼女が、なぜ仕事を早くしたいと思っていたのでしょうか。
当初、私は遅くまで仕事をすることが体力・精神的にきついからだと考えていました。
しかし、よくよく様子を見てみると、遅くなったからといってそこまで「嫌だ」「辛い」と言った印象はありませんでした。
むしろ、遅くまで残ったメンバーで楽しそうに談笑するシーンも度々見かけました。
本当に辛かったらすぐ帰るはずですよね。なのでこれは違う。
もう一つ考えたのは、自分の中にある幻想です。
私も自分が仕事が遅いと感じる時があります。
しかし、それって自分の仕事の速さが定量的に測れているわけではなく、「仕事ができる人は、こんな仕事もっと早くこなしているだろう。こんなに時間をかけてしまった自分は仕事が遅い」といった幻想に近いものだと思います。
これって皆さんもそうじゃないですか。
世に出回る、仕事が早い人=仕事ができる人 という定説が作り出した“像”で一喜一憂した日々を過ごしていますよね。
実際に彼女の言動も「皆さんと比べて・・・」や「〇〇さんだったらすぐできるのに」など、他人を意識した言動が多かったです。
そこから、彼女も同じ状況なのではないか、その確率がかなり高いと仮定しました。
仕事が早い=仕事ができる、本当にそうか?
私は、「仕事が早い=仕事ができる」を疑ってみることにしました。
確かに、世界的に有名なビジネスパーソンや身近にいるエリートで、これに当てはまる方は多くいます。
ただこれって日本全体でみるとほんの数%ぐらいな気がします。
仕事が早いけど、薄っぺらで何も考えていない人、いつも締切ギリギリだけど、成果物のクオリティが高い人など、必ずしも全てに当てはまりません。
むしろ彼女のようなクリエイティブ系の方は、後者が多い気がします。
私の取引先でも、希望した納期より長期間を要求するところがありますが、その分クオリティが素晴らしい。
いつも期待を上回る出来栄えですので、信頼しますし、納期の差なんて誤差に感じます。
実際にアメリカの実業家であるジェームス・W・ヤングは1940年に出版した自身の著書『アイディアのつくり方』の中で、よいアイディアを作るための5つのステップを紹介しています。
1 データ収集・・・とにかく幅広い資料の収集
2 データの咀嚼・・・集めたデータから関連性を見つける
3 手放す・・・一度休憩し、距離をおく
4 ひらめき・・・アイディアの神が降りてきて、
5 チェック・・・ひらめいたアイディアが本当に世に出して良いものなのか、関係者にも確認してもらう
つまり、1つのアイディアを世に出すためには、素材集めだけでなく、発酵も必要なのです。
クリエイティブ系の仕事も同じような感じではないでしょうか。
そうすると、「仕事って必ずしも早くするものではない、早い分のデメリットもある」が回答のベースとなりました。
悩みに対する処方箋
このようにさまざま角度から考えてみることで、当初と違った答えができてました。
ただ悩みを解決するというよりは、軽減させる「処方箋」的なもの。
根本的な解決にはなりませんが、自分が置かれている状況を冷静に、解像度高く見ることができます。
まずは客観視
その方法とは、まず状況を定量化し、自分を客観的に見ることです。
今回だと、仕事の速さがテーマでしたので、それを5段階で分けることにしました。
評価基準とパーセンテージは、わかりやすくするためにざっくりと出しています。
パーセンテージは、人口に対する割合です。
5:高速 世界のトップビジネスマンレベル 5%
4:速い エリートと言われるレベル 15%
3:普通 一般的なサラリーマン 50%
2:遅い 一般的なサラリーマンよりやや劣る 30%
1:激遅 働いていないに等しい 5%
適当な感じと思われるかもしれませんが、大体このぐらいではないでしょうか。
仕事の速さも大体だ普通か遅い人が大半です。
これをベースに考えてみると、彼女の個人評価は2.7ぐらいでしょう。
また他のメンバーと比べていたため、比較対象は4ではなく、3の一般的なサラリーマンレベルです。
つまり、彼女がするべきは、プラス0.3の努力です。
やや遅いを普通にするなので、できそうな気がしますし、もう少し具体的な策を考えられそうですね。
ちなみに私なら、道具を変えるなどでしょうか。
私自身も経験がありますが、結構道具を変えるだけで仕事のスピードが変わるんですよね。
例えば、PCを二画面にしたり、キーボードを変えたり、ビジネスツールを変えたりするなどでしょうか。
自分自身これだけで、1.5倍ぐらいでこなせる量が増えたと思います。
よく「エリートが実践する速技」や「〇〇思考」など、自分自身を変える方法があります。
とても参考になるのですが、イマイチしっくりこず、続かない人も多いのではないでしょうか。
個人的な感想ですが、あれってPCで言うと使い慣れたOSを変えることに近いので、結構ハードだったりするんですよね、、、
それならOSはそのまま、周辺機器、つまり今使っている道具を変える方が、早く改善する可能性があります。
どの自分が好きかで決める
色々書きましたが、最終的には「どちらの自分が好きか」が私の答えとなります。
今よりある程度クオリティを落として、スピーディに仕事をこなし、いわゆる普通のものを作っていくか。
または
今までと同様、一つひとつの仕事に時間をかけてしまうが、自分が納得したものを作り、それが誰か一人の心に刺さるものなのか。
この両方を目指すのは、次の段階です。
どちらが自分の目指すクリエイター像に近いのか、それにどう近づくのかが、本当に悩むべきことなのかもしれません。
以上が私の回答です。